今回お送りするのは、「バンジータンメン」。
『HEN 愛 LET’S GO!』の3曲目に収録されている「GT(Great Tan-men)」のテーマである、タンメン。ラーメンじゃなくて、タンメン。湯麺。
「いつなんどき、どんな状況にあってもタンメンを食べることを諦めない」というハヤシのタンメンへのHEN愛を試すべく、POLYSICS一行は、よみうりランドへ向かった。

前日の悪天候が嘘のように晴天となったこの日の早朝、よみうりランドにPOLYSICSのメンバーが到着。まずは入園後すぐに出迎えてくれたキャラクター「ランドドッグ」と記念撮影。 「いや~、良い天気だな~!タンメン日和ですよ!」

とやる気マンマンのハヤシと対象的に、面倒臭そうな足取りのフミと、ランドドッグになつかれるヤノ。 どうやらバンド内でのタンメンに対する温度差は激しい様子。

「よみうりランドには、2002年くらいに来たことがあるんで、庭みたいなもんですよね。その時はハリケンジャーショーを見て帰りましたけど。バンジー?やったことはないけど高い所は得意なんで。それよりタンメンどこタンメン?」と早くも空腹の様子。

「あ、あれじゃない?」

スタッフの声に顔を上げると、視線の先には上空高くそびえたつバンジージャンプ台が。 「…ちょっと高いなコレ。」

予想以上に高かったのか、みるみる顔色が青ざめるハヤシ。上空を見上げ“ゴクリ”と生つばを飲み込むが、どうやらタンメン食べたさの“ゴクリ”では無さそうだ。 到着後すぐにひきつった笑顔のまま受付で申込書を書くハヤシ。動揺しているのか書き間違える様子から緊張が伺える。 係員のお姉さんに手際よくハーネスを装着され、あっという間に準備完了!バイザーを外し「バンジージャンプ記念映像サービス」用のCCDカメラ付きヘルメットをかぶった姿を見てロック・ミュージシャンと気付く人は周囲にいないようだ。 「芸人さんが飛ぶ前に“後のことはよろしく頼む”とか言う気持ちよくわかる。」

と語るハヤシの表情は硬いまま。これからタンメンを食べられるというのにどうしたハヤシ? 「イケる?じゃあお願いしま~す!だってタンメン食べたいんでしょ!?」

と送り出すフミの声に力なく手をあげるハヤシ。足取りは重い。 頂上に到着すると、なにやら係員と話しているハヤシ。

「タンメンひとつください。」

どうやら頂上でタンメンを注文したようだ。バンジージャンプ直前にオーダーするあたり、タンメンへの深いHEN 愛を感じることができる。しばらくすると見下ろす22メートル下、美味しそうに湯気を立てるタンメンのどんぶりが到着。両手を広げ、タンメンへの距離感を計るハヤシ。その右手には割り箸がしっかりと握られている。“スープはどんぶりから直接飲むのが俺流”との事で、レンゲは用意されていないようだ。 「3、2、1バンジー!」

「うわー!うわーーーー!!」 ライヴでは聴くことができないタイプのスクリームをしながら落下するハヤシ!しばらく空中を激しく上下してバウンドする姿を下から写メるフミとヤノ。

「うわ~~~~~!!うわーーーー!!」

そのまま叫びつづけたハヤシをぶら下げたロープはゆっくりと地上に到着。 「マジ無理!ムリ!」

タンメンなど眼中にない様子で地上に降り立った彼にさらなる悲劇が襲う。茫然と立ち上がるハヤシを待っていたのは、無情の一言。

「あ、CCDカメラのコードが切れていたのでもう一回飛んで下さい。」 「え!?」 思わぬガチハプニングに爆笑するメンバーとスタッフに囲まれながら、絶望に打ちひしがれるハヤシ。その姿はまさに翼の折れたエンジェル。

「本当に怖い!落ちるときより一回上がる時が怖い!ホールド感がないのが怖い。」

機材トラブルによる待機時間、『あしたのジョー』の最終回のようにうなだれながらその時を待つハヤシを励ますフミとヤノ。二度と飛びたくないと拒絶するハヤシだが、まだタンメンのスープすら口に出来ていない。そろそろ空腹も限界なはず。しばし息を整え、再び階段を登り出したハヤシに対しメンバーの2人は、

「本人がそんなにタンメンが好きなら、まあまたやれば良いんじゃないですかね?」(フミ)

「うん、僕らはそこまでタンメンに情熱かけられないですけどね。」(ヤノ)

と至って冷静。どんなときもブレないリズム隊にPOLYSICSサウンドの神髄を見た。 やけくその笑顔で二度目のジャンプへ挑むハヤシ。 力なく落下するハヤシと、二回目なので、ちょっと飽きているフミとヤノ。

「あと少し、あと少しで大好きなタンメンが食べられる。せめてキクラゲだけでも…あと少し…いや全然届かないなコレ!」

重力のおもむくまま、何度か上下を繰り返しているうちに冷たくなっていくハヤシ。

「ダメだ…」

結局、2度に亘るチャンスにもタンメンを食べることができずうなだれるハヤシに、なぐさめの言葉をかけるフミとヤノ。 ていうか、1回飛んだ時点でタンメンに届くわけないことは分かってたし、なんなら、よみうりランドに行く前から分かってた。

「さ、帰ろう帰ろう!」

帰路につくメンバーの背後で、主を無くしたタンメンが虚しく空を見あげていた。 バンジータンメン。

そんなハヤシのタンメンへのHEN愛が詰まった楽曲「GT(Great Tan-men)」収録の、POLYSICSニューミニアルバム『HEN 愛 LET’S GO!』。2015年3月25日発売です!

タンメンだいすき!

取材・文:岡本貴之
写真 : 石橋雅人
撮影協力 : よみうりランド(http://www.yomiuriland.com/
※実際はバンジージャンプ内にタンメンを持ち込むことはできません ロケ終了後、普通にファミレスでタンメンを食うハヤシ。

(C)2015 POLYSICS

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